「儲からなくてもいい」と考えながら頑張った未来にある、最悪の結末
年度が新しくなると「なにかチャレンジしたいな」という気分になりますよね。
それがビジネスの時、スタートアップガレージはご相談対応やスペース提供・マッチングで皆さんの助けになります。
私は女性のご相談に乗ることが多いですが、「〇〇がやりたい。そんなに儲からなくてもいいので」といったことを話される方が多くいらっしゃいます。今日はそんな方にお送りしたいお話です。
特に既婚女性がこういったことをお話されるときは、
☆ 扶養の範囲内でビジネスをしたい
☆ 儲けることに罪悪感を感じる
☆ 自信がない心の裏返し
などなど、いろいろなパターンがありますが、「必要な利益が出せない」まま頑張っていくとどうなってしまうか想像してみたことはありますか?
例えば、Aさんは休日を利用して有機野菜をつくって販売するビジネスをはじめようと思いました。生活費はなんとかなるので「そんなに儲けなくていい」と思いながらも情熱をもって栽培と販売を低価格でがんばりました。
しかし、あまりにも低価格で販売するがゆえに、最初は楽しかったものの「売れれば売れるほど大変」になってきたことに気づきました。しかし、「売れなくなったらどうしよう」「嫌がられたらどうしよう」と考えて値上げも中々できません。
ある日、ついに限界がやってきてAさんは有機野菜の栽培販売ビジネスを辞めることにしました。「まあ、最初から儲ける気はなかったし」と思っています。
ここだけを見ると「儲ける気のなかったAさんが頑張った結果、上手くいかずに辞めた」だけに見えるかもしれません。しかし、果たしてそうでしょうか。
Bさんは有機野菜を栽培販売を専業で行っている専業農家です。ある日、Aさんが売る有機野菜が自分よりもはるかに安い価格で売られているのを見つけました。
生活に十分な利益を得ようと思うと、これ以上安くするのは難しいものの、どうも売り上げが下がっているように感じます。
Bさんは価格をギリギリまで下げ、経費を削り、がんばって対抗しようと思いました。しかし、ついに限界が来て、有機野菜の栽培販売を辞めてしまいました。Aさんが辞める3ケ月前のことです。
「儲けなくていい」と考えていたAさんは、知らず知らずの上にBさんのビジネスにも影響を与えてしまっていました。(安易な低価格戦略に走ってしまったBさんもよくありませんが)最終的にはAさんもBさんも事業を辞めてしまい、「有機野菜が欲しいと思う人がいくらいても買えない」という最悪の結果になってしまいました。
AさんもBさんも精いっぱい頑張っているのに共倒れ状態になってしまったのです。
ものすごく単純化した例ではありますが、「安く提供する=良いこと」では決してありません。「適正な価格で販売する」ということはとても大切なことです。
「利益を出すのがなんだか悪いことに感じてしまって」という方は、ぜひ一度ご相談にいらしてください。事業に必要な適正価格を一緒に考えてみましょうね。