元サッカー日本代表監督のイビチャオシム氏は『サッカーというのは、バランスを保つために、水を運ぶ役割をする選手が必要になってくる』と語った。この【水を運ぶ人】というのは守備をする選手のことで比較的目立ちやすい攻撃する選手ではなく相手のボールを奪い返し攻撃する選手にパスを送る選手のことを指している言葉です。

 

個人的にオシムさんの考えや表現が好きなのですがこの【水を運ぶ人】というフレーズが今でも強い印象が残っています。

オシムさんの言葉はいつも深いです。スポーツだけではなく、ビジネスなどにも通じる言葉が多く気になる方は是非、オシムさんの書籍を読んでみることをオススメします。人生観も含め様々な視点が変わりますよ。

 

水を運ぶ人とは

さて、今日のコラムのテーマは【水を運ぶ人】についてです。

あなたのビジネスにおいて水を運ぶ人は誰になるでしょうか?
起業や新規事業がうまくいくときは必ずこの水を運ぶ人の存在があります。あなたが主役となり表舞台に立てるときは必ずと言っていいほど献身的にサポートする人が近くに存在しているはずです。

 

水を運ぶことは楽な仕事ではないです。実際に水を運んだことがある人ならわかると思いますが、一回運ぶだけで充分です。しかし、ビジネスを成功レベルまで押し上げるときかなりの時間と労力を必要とします。手抜きをしては成功レベルまで到達することはないのです。

 

起業したばかりのとき、メンバーが少なくそれぞれの役割りがはっきりと決まっていないときは全てのことをみんなで協力しながら進めていかなければなりません。次第に事業が進むとガンガン前に進める人とそれをサポートする人それぞれの役割りが決まり誰が水を運ぶ人になるのかがハッキリします。

この組織編成がうまく進むとバランスの良い状態になり会社は積極的に活動することができます。しかし、全員がガンガン行こうぜ!状態になってしまう、または全員が石橋叩いて叩いて渡ろうぜになるとバランスは崩れ成長速度は鈍化しかなりのリスクを背負うことになってしまいます。

 

外から見えれば水を運ぶ人の存在は目立ちにくく、表に立ってプレゼンしている代表者やリーダーに注目が集まりやすいですがリーダーたちが表舞台に立ち続けていられる環境をつくる人は水を運ぶ人が担っています。

ガンガン行こうぜと進むためには進めるだけの環境や土台を作る人がいなければなりません。

起業とは長い旅とも言えます。まだ見ぬ目的地へ向かうためには旅行計画をする人、車を運転する人、食事を用意する人など様々なサポートする存在が欠かせません。

 

水を運んでもらう人から水を運ぶ人へ

起業し事業が軌道に乗れば次は人材を育成するステージに移行する会社も多いと思います。
人材育成は会社における死活問題であり今後の経営に大きな影響を及ぼします。そして経営者にとって人材育成をするというのは水を運んでもらう人から水を運ぶ人へ転身するという側面もあります。

 

起業しリーダーとして積極的に表に出て事業を軌道に乗せるまで頑張ったあなたは間違いなく誰かに水を運んでもらう人でした。そしていよいよ人を育てるぞ!となったときにはあなたが水を運ぶ人になり、その人が活躍できる場を作っていく役割りを担うことになります。

いつまでもリーダーとしてガンガンみんなを引っ張っていける人もいますが、水を運ぶ人が疲れて倒れていないかを確認しときには水を運ぶ仕事を変わる必要もあると思います。

今の時代、経営者はリーダーの役割りと水を運ぶ役割りの2つを兼ね備えた人が求められているかもしれません。